このブログでよく登場するフィンランド人ルームメートがいます、
彼から教えてらったことは私の英語に対する姿勢を根本から変え、彼に学んだ勉強方法でスピーキングとリスニング力を向上させることができました。
彼は自分で英語を勉強した方法だけではなく、学校でどのような授業を受けたのかも教えてくれました。
今回は、そんな彼が受けてきたフィンランドの英語教育について書いていきます。
実際に英語が話せるようになる教育について学ぶことは、英語を教える人だけではなく、英語を勉強している人にとっても大きな意義があると考えています。
目次
教師によって異なる教育
タイトルでフィンランドの英語教育と書きましたが、フィンランドでは日本のように教師が学習指導要領に示されている内容を教えるわけではないようです。
フィンランドの学習指導要領に当たるNational Core Curriculumで定められた目標を達成するために必要だと思う内容を教えることが許されています。
また日本のような教科書検定はなく、教師が目標を達成するためにもっともふさわしいと考える教材を使用して教えます。
つまりフィンランドの英語教育といっても様々な流派があるということです。
今回はそのうちの私のルームメートが実際に受けた教育を紹介していきます。
フィンランドの英語教育:3つの特徴
1. スピーキング重視の授業
Grade3(日本の小学3年生)から英語の授業が本格的に始まったそうですが、初めての授業から教師は生徒たちに英語を話させたそうです。
ルームメートの話では、Grades 3~6(小学3年から6年)まではシンプルな英語を使い、正しい発音で先生やクラスメートとコミュニケーションをとることがメインだったそうです。Grade7 以降(日本の中学、高校段階)もプレゼンテーションやテキストに乗っている練習問題を通してスピーキングの練習をしていたそうです。
そのようなスピーキング重視の授業でいつ文法を勉強したのかと聞くと、文法やリーディングは宿題として出され、自分で勉強していたと答えました。
生徒は宿題で基礎となる文法や語彙を覚え、授業はそれを使う場所になっていたということです。
彼自身、英語の複雑な文法を覚えていないと言っていましたが、めちゃくちゃな英語を話していたわけではありません。
初めて彼と話した時は、英語を話すスピードが速すぎて聞き取れませんでしたが、自分のリスニング力が向上するに従いそのことが分かりました。
また彼の学校は小さな学校で授業は5人くらいで受けていたそうです。
ここまで小規模なクラスなので、全員がクラスでプレゼンテーションをする時間や英語の教師から直接指導を受けるチャンスを多くを確保できます。
2. 文法よりも発音
ルームメートの英語の先生は、文法ではなく発音に厳しかったと言っていました。
私は留学中に3人のフィンランド人と話す機会がありましたが、3人とも流暢に聞き取りやすい英語を話していたことが印象的でした。
ルームメート曰く、フィンランド訛りの英語はまず伝わらないそうなので、単語を覚えるときは発音記号にも注意していたそうです。
授業では、あまりにもフィンランド訛りが強い英語を話すと、先生がどのように発音すれば相手に伝わりやすいかを教えてくれたそうです。
彼は先生から、よりクリアに相手が聞き取りやすい英語を話すように指導されたということでした。
3. ミスに寛容なクラス
先生は発音に厳しかったそうですが、ミスをしたからと言って叱られるということはなかったそうです。
彼の話では、英語を話してどれだけミスをしてもクラスメートにからかわれたり、先生から減点されたりすることはなかったそうです。
むしろミスをしても話すことを先生やクラスメートが賞賛していたので、授業では不安なく英語を話すことができたそうです。
今でも決して英語でミスをすることを恐れていないと彼は言っていました。
このように彼が受けてきた授業では、発音に注意しながらもとにかく英語を話すことが重視されていました。
学生がミスをすることで、先生はその学生は何がわからないのかを知ることができます。
それを知ることでより適切なサポートができるということです。
ミスを恐れずに英語を話す姿勢
私は、今でも彼を尊敬しています。
それは彼の英語が上手だからではなく、完璧に話せなくてもどんどん英語で人に話しかけているからです。
ミスを恐れずに英語を話す姿勢
英語教育において文法や英文の読み方などの知識を教えるよりも、この姿勢を育てる方が重要ではないでしょうか。
完璧に話せなくても勇気を持ってスピーキングにチャレンジする方がかっこいいです。
以下の記事では、フィンランド人のルームメートが個人で行っている英語の勉強方法について書いています。
興味のある方はぜひ合わせてお読みください。
日本の英語教育の特徴は
彼が教えてくれたフィンランドでの英語教育をみると日本で行われているものとはかなり異なっていることが分かります。比較してみてどのような特徴があるのかをまとめていきます。
テストのための英語
みなさんが今まで学校で受けてきた英語の授業はどのようなものだったでしょうか。
ちなみに私が中学生の時に受けた授業は文法の説明と英文和訳がかなり多かったです。
理由はやはりテストで出題されるからでしょう。
高校では、1年生の時はオーラルコミュニケーションという授業でALTの先生と英語を話す練習を少ししましたが、2年生以降は入試を視野に入れた授業に変わりました。
また私は大学1年生の時から塾講師のでアルバイトをしています。
中学生、高校生に英語を教えることが多いのですが、彼らいわく今でもまだ私が受けてきた英語の授業と同じようなことをしている先生がいるようです。
大学に入学してから、センター試験やTOEICでかなりいい点数を取っている学生に出会うことがありますが、実際に英語を話すことができる学生に会うことはあまりありません。
もちろん帰国子女やIB校からの入学者など英語を話せる人もいますが、テストのための授業を受けてきた人で英語を話せる人に出会うことは稀です。
おそらく私と同じように考えている人は少なくないのではないのでしょうか。
スピーキングの練習法が分からない
英語ができるようになりたいけど、何をすれば英語が話せるようになるのか分からない人はたくさんいるのではないでしょうか。
またルームメートが授業で教えられたように、どうすれば相手に英語が伝わりやすいかを学ぶことも一般的にはないと思います。
学校で練習しないので、スピーキング力をあげる方法が分からないことはよくあります。
私もカナダに行くまではどうすれば話せるようになるのかが分かりませんでした。
ミスは許されない
日本人の学生で、よく見られるのは、英語を話す機会があっても全く話さないということではないでしょうか。
これはミスを恐れていることが原因ではないでしょうか。実際に私がそうでした。
テストでいい点を取るためにはミスは許されません。
そのせいか、英語を話すときに完璧を目指しすぎてしまいます。
日本の英語教育(私が受けてきたもの)では、ミスを恐れずに英語を話す姿勢を育てることが難しくなっているのではないでしょうか。
積極的な姿勢がリスペクトされる
ミスをしても全く恥ずかしがる必要はないです。間違った英語を話すことが恥ずかしいという感情は、そもそも感じる必要のないものです。
逆に、英語を話しミスをすることで自分が分かっていない部分や弱点を見つけることができます。それを見つけて少しずつ改善して行くことが英語のスピーキング力を向上させてくれるでしょう。
誰だって失敗することは怖いです。しかし、カナダに行って強く感じましたが母国語ではない英語をミスを恐れずにどんどん話すとネイティブスピーカーからすごくリスペクトされます。
私もミスを恐れない勇気がある人をすごくリスペクトしています。