フィンランドの小学校英語教育から見る語彙力の重要性

カナダに留学中、フィンランド人留学生のルームメートがいました。彼は社交的でネイティブスピーカー並みに英語が上手でした。私は、ネイティブスピーカーということもあり彼とよく一緒に行動していたのですが、彼はその明るい性格を抜群の英語力でどんどん友達を作っていました。彼と一緒にいたおかげで自動的に交友関係が広がっていきとてもラッキーでした。笑

私たちはよくお互いの国の教育について話していました。日本もフィンランドもOECDによるPISAテストで毎回のように高得点を取っており教育の質が高い国として世界から注目されています。しかし、その教育内容は大きく異なっています。彼に英語教育についても教えてもらいましたが、日本の英語教育とは全くと言っていいほど内容の異なるものでした。

実際に彼がフィンランドの小学校で受けた英語教育については以下の記事に書いているので興味のある方は是非読んでみてください。

フィンランドの英語教育|ミスに寛容なクラスでペラペラになる

私はカナダで彼を含めて三人のフィンランド人に出会いましたが、全員ネイティブスピーカー並みに英語が上手でフィンランド人はすごいと関心しました。

今回の記事では、彼らの英語力の基礎を作っているであろうフィンランドの小学校英語教育について書きます。

フィンランドの小学校英語教育

フィンランドの教育は世界的に評価が高いですが、その英語教育も質が高いようです。

TOEFL iBTの平均スコアを見ても分かりますがフィンランド人は英語が得意なようです。

Test and Score Date Summary for TOEFL iBT Tests (https://www.ets.org/s/toefl/pdf/94227_unlweb.pdf)では、各国のTOEFL iBT受験者の平均点を見ることができますが、フィンランドの平均スコアは94とかなり高いです。一方の日本は平均スコアが71となっています。

受験生の数やその背景に違いがあるので単純に比較だけすることは適切ではありませんが、少なくともTOEFLのフィンランド人受験者はかなり英語が上手だということが示されています。

小学校で習う圧倒的な語彙数

フィンランドでは一般的に小学3年生から英語の授業が始まります。日本では、2020年度に英語が科目として小学5年生から教えられるようになります。現在は、小学校では英語に慣れることを目標に外国語活動が行われています。

さらに、大きな違いは小学生の時にならう英単語の数です。

伊東治己氏による「フィンランドの小学校英語教育」によるとフィンランドの小学生は3年生からの4年間で3615語の英単語を習います。一方で、日本では、小学校5、6年で285語しか習いません。これは、かなり大きな差です。

また日本の中学、高校で習う英単語数を見ると中学校で1200語、高校で1800語の英単語を習うそうです。日本では、小学5年生から高校3年生までの8年間で3285語の英単語を習うことになります。

量的に比較をすると、フィンランドでは英語教育が始まる3年生から6年生までの4年間で日本人の学生が8年間で習う数と同じくらいの英単語に触れていることが分かります。

フィンランド:小学3〜6年(4年間) 3615語
日本:小学5年〜高校3年(8年間) 3285語

フィンランドの小学生が3615語を全て暗記して使いこなせるという訳ではありませんが、早い段階からより多様な英語に触れていることが分かります。

ここから、中学、高校と進むにつれさらに多くの英単語を習っていきます。結果として、日本人の高校3年生とフィンランド人の高校3年生では習った単語数に大きな差が生まれます。

この差が、英語力の差につながっていると考えられます。

文法も小学校から勉強する

伊東氏は同書の中で、日本の中学校学習指導要領で定められている文法事項とフィンランドで最も多く使われている教科書に乗っている文法を比較しています。

フィンランドの小学生は、日本の中学生が習う英文法を小学校の段階で習ってしまうようです。

詳しくは文部科学省のホームページ(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/houkoku/attach/1352464.htm)を見ると分かりますが、2020年度から小学校で英語を強化として教えるようになり、5、6年生から中学で習う文法を前倒しで勉強するそうです。フィンランドでは、すでにその先を行っていて小学校3、4年生から日本の中学生が習う英文法の勉強が始まっています。

現在日本で行われている外国語活動のように、英語に慣れ親しむことが目的ではなく多様な文法や語彙を習い英語を習いための基礎を作ることが目的とされていることが分かります。

形式重視から内容重視へ

伊東氏によると、小学校の英語授業では語彙や文法が重点的に指導されているようです。早い段階から文法などの指導をすれば英語を難しく感じ、より英語嫌いの子どもが増えそうな感じもします。しかし、小学生は英語に対する興味が高い段階なので逆に抵抗なく勉強できるようです。

そこから、中学、高校と上がっていくに従い内容重視に変わっていくということです。内容重視になるとは、英語の文法や単語を勉強するのではなく、それらの知識を元により難しい英文を取り扱った英語学習をするということです。

フィンランドの小学校では、文法や単語といった基礎の習得に多くの時間が使われます。そこから学年が上がるにつれてより難しい内容の英語を使っていくことで英語力の向上が目指されています。

以前の記事に書きましたが、フィンランドではミスに寛容な雰囲気がクラスの中にあります。私の友人も文法を間違えたからといって怒られることはなかったそうです。彼はあまり文法を勉強していなかったと話していましたが、それはおそらく文法だけに集中した授業ではなかったからではないでしょうか。彼はスピーキングが中心の英語の授業を受けていたそうですが、それは新しい文法を習い、それを実際に話して使うアクティビティをしていたということです。

日本では、中学から高校まで常に文法や単語を学んでいるというイメージがあります。もちろん内容の難しい文章を読んだり聞いたりしますが、大量にそれらをインプットするというよりも英文を翻訳したり、また日本語を英語に直したりと訳すことが中心になってインプットの量は多いとは言えません。



英語力を上げるためのヒント

フィンランドでは英語を上手に話せる人が多いです。そのため英語を勉強するにおいてフィンランドの英語教育から学べることは多いのではないでしょうか。

まず習う語彙の数が圧倒的に違います。やはり、英語のレベルを高めるためには語彙力が不可欠です。またフィンランドで行われているように早い段階から文法の基礎を固め、次にそれらを元に英語を使ってみることが英語を上達させるために重要でしょう。

ただ文法を暗記するのではなくそれを使わなければなりません。私のフィンランド人ルームメートも言っていたように授業では英語を話すことがメインとされていました。

逆に英語が苦手な人に多いことは、文法や単語を暗記してそれで終わっていることです。それらを使うというプロセスが欠けていてるのでいつまでたっても英語をうまく話せるようにはなりません。

まとめ

私は、これまで日本で英語をしっかりと勉強したつもりでしたが、それでも英語を話せるようになりませんでした。そのため、どのように勉強をすれば英語ができるようになるのか分かりませんでした。

フィンランドの英語教育について調べてみると日本の英語教育との違いがよく分かり、英語力を上げるために必要なことが見えてきます。

まずは、高校までに習った英単語の数よりも圧倒的に多くの単語を覚えなくてはなりません。あとは、文法を意識しながら英語を使ってみる。使ってみるとは読んだり聞いたりすることも含まれています。

参考元:(フィンランドの小学校英語教育今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~Test and Score Data Summary for TOEFL iBT® Tests

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